AI時代の教育学会第2回年次大会の御礼

大会実行委員長 小林祐紀(茨城大学)

AI時代の教育学会第2回年次大会は、2021年3月20日(土)に、オンラインにて開催され、約100名の方々の参加を得て、無事に終了することができました。

 本大会では、AI時代の教育に大きく関連する学習指導要領、GIGAスクール構想等の今後の展開を意識して、プログラムを設定しました。

 久保田賢一氏(関西大学名誉教授)による基調講演「構成主義から見るAI時代の教育とは?:ポストコロナ時代の学びを考える」では、学習に対する大局的、根源的な視点からお話を頂きました。当学会の進むべき方向性を鮮やかに描いて頂き、その後の各セッションだけではなく、今後の学会活動においても大きな示唆を得ることができました。

 一般発表おいては、AIテキストマイニング、学校放送番組を活用した教育実践に関する研究、コロナ禍によって広がりを見せているオンライン教育や遠隔授業(ビデオ会議)に関する実践研究、今後本格導入が期待されている学習者用デジタル教科書に関する研究、情報活用能力の育成に関わる研究、AI時代の学力観を問う研究等、8件の研究発表がありました。年次大会においては発表者1人1あたりの持ち時間を20分とし、研究内容を丁寧に報告する時間を確保することを心がけました。その甲斐も有り、各分科会ともに活発な議論が行われていました。

 さらに、本学会の特徴の一つとして活発なSIG活動があります。そこで、本大会ではテーマの異なる3つのSIGセッションを実施しました。「デジタル教科書」「コンピュータサイエンス」「生涯知能教育」のそれぞれのSIGでは、リーダーを中心にして多数の話題提供者が登壇することで積極的な議論が行われました。

 最後のパネルディスカッション「AI時代の教育について考える−GIGAスクールにおける教育実践の可能性と課題−」においては、赤堀侃司会長によるコーディネートのもと「情報技術の活用と安全」、「情報活用能力の育成に資するカリキュラム」、「具体的な教育実践」といった登壇者のそれぞれの立場から意見表明がありました。さらには指定討論者である中川一史副会長とのテーマに紐付けた質疑を通じて、実りの多いセッションになりました。

 本大会では、参加証の配布によって参加方法を周知しました。しかし、申込と参加証等の返信の間にタイムラグが生じる等、不便を感じられたかもしれません。また、不慣れなオンライン開催の大会運営としてご迷惑をおかけしました。心よりお詫び申し上げますとともに、皆様の温かいご支援とご協力により、何とか無事に終えられたことを改めて感謝申し上げます。

 最後になりますが、本大会は年次大会委員副委員長の加藤直樹先生(東京学芸大学)、委員の前田康裕先生(熊本大学)、石田年保先生(松山市立椿小学校)、オンライン業務担当の金森紀博様(株式会社ワングリット)、AI時代の教育学会事務局ほか多くの皆様の協力で行うことができましたことを申し添えます。今後の本学会の益々の発展を祈念しつつ、次期年次大会開催の東京学芸大学(オンライン開催を予定)にバトンを渡したいと思います。

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